道路橋示方書(令和7年改定)
令和8年4月1日以降に新たに着手する設計から適用される5編
道路橋設計の総則・荷重規定・設計の基本方針を定めた示方書です。活荷重・死荷重・風荷重・地震の作用など、橋全体に共通する作用(荷重)の設定方法が記載されており、道路橋設計のすべての起点となる一冊です。令和7年版では、耐震・耐風に関する作用の設定も共通編に収められています。
最新情報:令和7年8月22日に改定が公表され、令和8年4月1日以降に新たに着手する設計から適用されます。平成29年版の「Ⅴ耐震設計編」は独立した編ではなくなり、耐震関連の規定は共通編と各編に再編されています。
鋼桁橋・鋼トラス橋・鋼アーチ橋など鋼橋の設計基準。鋼部材の断面設計・溶接・疲労照査・座屈の検討方法が規定されており、鋼橋の設計・点検・補修を行う際に必参となる。
最新情報:旧名称は「Ⅱ 鋼橋・鋼部材編」(平成29年版)です。
コンクリート部材・コンクリート上部構造(PC橋・RC橋など)の設計基準です。PC桁やRC部材の設計、コンクリートの材料規定の確認で参照します。
最新情報:旧名称は「Ⅲ コンクリート橋・コンクリート部材編」(平成29年版)です。令和7年版では「設計耐久期間」の考え方が新設されています。
橋脚・橋台・基礎など、橋の下部構造の設計基準です。下部構造の設計や、基礎・地盤条件の扱いを確認するときに参照します。
上部構造と下部構造をつなぐ接続部の設計に関する規定をまとめた編です。令和7年の改定で新設された編で、平成29年版の「Ⅴ耐震設計編」とは別の編です。具体的な規定は、道路橋示方書・同解説の目次で確認してください。
鋼橋の疲労・防食・設計
鋼構造物の詳細設計・疲労・防食に関する基準
鋼橋の疲労に関する設計・照査の便覧です。溶接継手・ボルト継手などの疲労照査方法が記載されており、新設橋の疲労設計や、供用中の鋼橋の点検・補修設計、疲労損傷の評価で参照します。
最新情報:以前掲載していた「鋼道路橋の疲労設計指針」(平成14年)の後継にあたる便覧です。
鋼橋の防食(塗装など)に関する便覧です。塗装仕様の選定・塗替え周期の設定・腐食環境の分類などが記載されており、新設橋梁の防食設計や既設鋼橋の塗替え工事計画で参照します。
最新情報:旧「鋼道路橋塗装・防食便覧」は、現在は「鋼道路橋防食便覧」として改訂されています。
建築向けだが、鋼構造の基本設計(引張・圧縮・曲げ・座屈)の考え方は土木にも通じる。道路橋示方書に記載のない鋼部材の詳細設計で参考として参照されることが多い。
最新情報:旧名称は「鋼構造設計規準」です。建築向けの規準ですが、鋼構造の基本的な考え方の確認に使われます。
支承・橋梁付属物
支承・高欄・防護柵などの基準
道路橋の支承(ゴム支承・鋼製支承・免震支承)の設計・選定に関する便覧。支承の種類と特性・設計荷重の計算・支承の取替え計画などで参照する。
橋梁の高欄を含む防護柵の設置基準です。高欄の種類と設計荷重・設置位置の規定が記載されており、橋梁設計および道路の安全施設設計で参照します。ボラード(車止め)の設置便覧と合冊になっています。
鉄道橋・跨線橋で参照する基準
鉄道事業者の構造物に関わる場合の基準
鉄道橋・鉄道高架橋の鋼構造・合成構造の設計基準です。道路橋とは荷重条件・列車荷重の設定が異なります。線路を跨ぐ道路橋(跨線橋)などでは、鉄道事業者との協議のうえで、どの基準を適用するかを決めます。
鉄道構造物の耐震設計基準です。鉄道事業者の構造物に関わる設計では、鉄道事業者との協議のうえで参照します。道路橋とは地震動の設定方法・照査基準が一部異なります。
基準書の使い分けガイド
橋の基準も、管理者と着手時期で変わる
橋梁の設計では、道路橋示方書を使うのが基本ですが、管理者や着手の時期によって、使う基準や版が変わります。
1. 基本は、管理者の基準
道路橋示方書は、国が管理する高速道路や国道の橋の設計に用いる基準で、そのほかの道路橋にも一般に使われます。一方で、国土交通省の地方整備局や自治体、NEXCO各社などは、道路橋示方書に加えて、独自の設計要領やガイドラインを定めている場合があります。発注者の設計要領を確認してください。
2. 線路や河川を跨ぐ場合は、その管理者の基準も関わる
設計する橋が線路を跨ぐ場合(跨線橋)は、道路側の基準だけでなく、鉄道事業者との協議が必要です。鉄道の下を通る構造物と同じ考え方で、鉄道管理者の用地や施設に関わる部分は、鉄道管理者の基準が優先されます(鉄道設計の設計基準・示方書一覧)。河川を渡る橋では、河川管理施設等構造令などの河川管理者の基準も関係します(河川・海岸の設計基準・示方書一覧)。
3. 道路橋示方書は「いつ着手した業務か」で版が変わる
道路橋示方書は令和7年に改定され、令和8年4月1日以降に新たに着手する設計から、改定後の内容(5編構成)が適用されます。それより前に着手した業務では、平成29年版(旧Ⅴ耐震設計編を含む構成)が引き続き指定されることがあります。どちらの版を使うかは、発注者の指示で決まります。
4. 基準は、勝手に決めずに発注者と協議する
どの基準を使うかは、設計者が自分で決めるものではありません。特記仕様書などで指定されていることも多いのですが、指定がない場合や、複数の基準にまたがる場合は、発注者と協議して決めます。協議で決まった内容は、打合せ記録に残しておくと、後からの手戻りを防げます。
5. 業務は、基準を決めるところから始める
設計業務は、まず「設計基準を決める」ところから始めましょう。管理者は誰か、他の管理者の用地や施設に関わらないか、基準書の名前と版は何か、基準が複数ある場合の優先順位はどうするか、を最初に確認しておくと安心です。