| 法面(のり面) | 切土・盛土によって生じた人工的な斜面。 |
|---|---|
| 勾配(割表記) | 「垂直1に対して水平n」を「1:n」で表す。1:1.5 なら水平1.5m・垂直1m。 |
| % 勾配 | 水平100mに対する垂直高さ(m)。1:1.5 = 66.7%。 |
| ‰(パーミル)勾配 | 水平1000mに対する垂直高さ(m)。道路縦断・管路勾配でよく使う。 |
| 平面距離(水平距離) | 平面図上の距離。高低差を含まない水平方向の長さ。 |
| 斜面長(法長) | 法面に沿って測った実際の長さ。 |
| 素掘り | コンクリートや石積みで覆わない、土のままの法面。 |
土木の現場や設計では、法面(のり面)の傾きを表すのに「割(1:n)」「%」「‰(パーミル)」「角度(度)」という複数の表記が使われます。 同じ傾きでも図面や指針によって表記が異なるため、相互の換算が必要になる場面が多くあります。このページでは、それぞれの意味と換算方法を整理し、上のツールで素早く計算できるようにしています。
最も土木らしい表記が「割(1:n)」です。これは垂直方向の1に対して、水平方向にn進む傾きを表します。 たとえば「1:1.5」なら、垂直1mに対して水平1.5m。数字nが大きいほど、傾きはゆるやかになります。切土・盛土の標準勾配は、この割表記で示されるのが一般的です。
割表記から角度を求める式は θ = arctan(1 ÷ n) です。 「1:1.5は何度?」という疑問は、この式で解けます。逆に角度から割を求めるときは n = 1 ÷ tan(θ) を使います。
%勾配は水平100mに対する垂直高さ(m)、‰(パーミル)勾配は水平1000mに対する垂直高さ(m)を表します。 どちらも傾きの度合いを示すもので、法面は割表記、道路の縦断勾配や管路(下水道など)は%・‰がよく使われます。換算は次のとおりです。
法面に沿って実際に測った長さを「斜面長(法長)」といい、数量計算や材料数量の算出に欠かせません。 水平距離と勾配が分かれば 斜面長 = 水平距離 ÷ cos(角度)、垂直高さは 水平距離 × tan(角度) で求められます。 上のツールでは、水平距離・斜面長・垂直高さのどれを起点にしても残りを逆算でき、断面図で視覚的に確認できます。
切土・盛土の勾配は土質や用途によって標準値が異なります。下表は代表的な目安です(実際の設計では関連基準と土質調査に基づく検討が必要です)。
よく使われる勾配について、割・角度・%・‰の対応をまとめました。図面チェックや現場での確認に役立ちます(角度は小数第2位まで表示)。
| 割(1:n) | 角度(度) | 度分秒 | %勾配 | ‰勾配 |
|---|---|---|---|---|
| 1:0.3 | 73.30° | 73°18′03″ | 333.3% | 3333‰ |
| 1:0.5 | 63.43° | 63°26′06″ | 200.0% | 2000‰ |
| 1:0.8 | 51.34° | 51°20′25″ | 125.0% | 1250‰ |
| 1:1.0 | 45.00° | 45°00′00″ | 100.0% | 1000‰ |
| 1:1.2 | 39.81° | 39°48′20″ | 83.3% | 833‰ |
| 1:1.5 | 33.69° | 33°41′24″ | 66.7% | 667‰ |
| 1:1.8 | 29.05° | 29°03′17″ | 55.6% | 556‰ |
| 1:2.0 | 26.57° | 26°33′54″ | 50.0% | 500‰ |
| 1:2.5 | 21.80° | 21°48′05″ | 40.0% | 400‰ |
| 1:3.0 | 18.43° | 18°26′06″ | 33.3% | 333‰ |
水平距離を10mに固定したとき、勾配ごとに斜面長と垂直高さがどう変わるかを示します。勾配が急になるほど(nが小さいほど)、同じ水平距離でも斜面長と高さが大きくなります。
道路の縦断や側溝、造成の現場では、勾配が「%」で指示されることが多くあります。このときの高さ(高低差)は、 高さ = 平面距離 × 勾配(%)÷ 100 で求められます。 上のツールの「斜面長(法長)・高さの計算」で、勾配の入力方法を「% 勾配」に切り替えると、同じ計算ができます。
測量や出来形の確認では、逆に「平面距離と高低差から勾配を知りたい」場面があります。 勾配(%)= 高さ ÷ 平面距離 × 100、割表記の n = 平面距離 ÷ 高さ、角度は arctan(高さ ÷ 平面距離) です。 上のツールの「平面距離と高さから勾配を求める」に、2つの値を入れるだけで計算できます。
%勾配は100%で45°になります。高さが平面距離より大きい急な法面(たとえば平面距離8m・高さ10m)は、125%と100%を超えます。 %と割(1:n)を混同しないよう、図面の表記を必ず確認しましょう。