許容応力度
| 設計基準強度 σck (N/mm²) |
圧縮応力度 (N/mm²) |
せん断応力度 (N/mm²) |
|||
|---|---|---|---|---|---|
| 曲げ圧縮 | 軸圧縮 | τa1 コンクリート のみ |
τa2 斜引張鉄筋 と共同 |
τa3 押抜き |
|
| 21 | 7.0 | 5.5 | 0.22 | 1.6 | 0.85 |
| 24 | 8.0 | 6.5 | 0.23 | 1.7 | 0.90 |
| 27 | 9.0 | 7.5 | 0.24 | 1.8 | 0.95 |
| 30 | 10.0 | 8.5 | 0.25 | 1.9 | 1.00 |
- 曲げ圧縮・軸圧縮は、Ⅲコンクリート橋編とⅣ下部構造編で同じ値です。
- せん断応力度は、大気中で施工するⅣ下部構造編の鉄筋コンクリート部材の値です。τa1 には、部材の有効高 d・軸方向引張鉄筋比 pt・軸方向圧縮力による補正係数(表-4.2.2、表-4.2.3、式4.2.1)を乗じます。
- 許容支圧応力度は式で求めます:σba =(0.25 + 0.05 Ac/Ab)σck、ただし σba ≦ 0.5σck(Ⅲ 式3.2.1)。
- 二軸曲げが作用する場合の許容曲げ圧縮応力度は、表の値に 1.0 N/mm² を加えた値とします(Ⅲ 3.2(1))。
- プレストレストコンクリート構造の許容応力度は、別の表(Ⅲ 表-3.2.2〜3.2.5)で定められています。
| 鋼種 | 板厚 (mm) |
許容引張 (N/mm²) |
許容せん断 (N/mm²) |
許容支圧 (N/mm²) |
|---|---|---|---|---|
| SS400・SM400・SMA400W | 40以下 | 140 | 80 | 210 |
| 40を超え75以下 | 125 | 75 | 190 | |
| 75を超え100以下 | 125 | 75 | 190 | |
| SM490 | 40以下 | 185 | 105 | 280 |
| 40を超え75以下 | 175 | 100 | 260 | |
| 75を超え100以下 | 175 | 100 | 260 | |
| SM490Y・SM520・SMA490W | 40以下 | 210 | 120 | 315 |
| 40を超え75以下 | 195 | 115 | 295 | |
| 75を超え100以下 | 190 | 110 | 285 | |
| SM570・SMA570W | 40以下 | 255 | 145 | 380 |
| 40を超え75以下 | 245 | 140 | 365 | |
| 75を超え100以下 | 240 | 135 | 355 |
- 許容引張は、許容軸方向引張応力度及び許容曲げ引張応力度です。
- 許容支圧は、鋼板と鋼板との間の支圧応力度です。ヘルツ公式で算出する場合は、SS400・SM400・SMA400W が600、SM490 が700 N/mm² です(表-3.2.4)。
- 許容軸方向圧縮応力度は、部材の細長比と局部座屈を考慮して式(3.2.1)と表-3.2.2で求めるため、この表には載せていません。
| 荷重の組合せ | 下部構造 RC・無筋 (Ⅳ) |
下部構造 鋼構造 (Ⅳ) |
コンクリート橋 (Ⅲ) |
鋼橋 (Ⅱ) |
|---|---|---|---|---|
| 主荷重(P)+主荷重に相当する特殊荷重(PP) | 1.00 | 1.00 | 1.00 | 1.00 |
| P+PP+温度変化の影響(T) | 1.15 | 1.15 | 1.15 | 1.15 |
| P+PP+風荷重(W) | 1.25 | 1.25 | 1.25 | 1.25 |
| P+PP+温度変化の影響(T)+風荷重(W) | 1.35 | 1.35 | 1.35 | 1.35 |
| P+PP+制動荷重(BK) | 1.25 | 1.25 | 1.25 | 1.25 |
| P+PP+衝突荷重(CO) | 1.50 | 1.70 | 1.50 | 鋼部材 1.70 RC部材 1.50 |
| 活荷重及び衝撃以外の主荷重+地震の影響(EQ) | 1.50 | 1.50 | 1.50 | 1.50 |
| 風荷重(W) | — | — | 1.20 | 1.20 |
| 制動荷重(BK) | — | — | — | 1.20 |
| 施工時荷重(ER) | 1.50 ※1 1.25 ※2 | 1.50 ※1 1.25 ※2 | 1.25 | 1.25 |
- ※1 完成後の応力度が著しく低くなる場合、※2 完成後の応力度が許容応力度と同程度になる場合(Ⅳ 表-4.1.1)。
- 「—」は、その編の表に該当する荷重の組合せがないものです。
- 施工時に風荷重や地震の影響を考慮する場合の割増係数は、表の値にかかわらず、架橋地点の条件や施工中の構造系を考慮して適切に定めます。
- プレストレストコンクリート構造のコンクリートの許容引張・斜引張応力度と、プレストレッシング直後の許容応力度は割り増しません(Ⅲ 3.1)。
このページについて
構造部材の断面を照査するとき、部材に生じる応力が「これ以下なら安全」とみなす上限値を許容応力度といいます。このページは、コンクリート・鉄筋・鋼材の許容応力度と、荷重の組合せによって上限値を引き上げる割増し係数を一覧にした早見表です。材料特性値(ヤング係数や単位体積重量など)は、前のページ「材料特性値」にまとめています。
表の読み方
- コンクリート:設計基準強度 σck ごとに、曲げ圧縮・軸圧縮の許容応力度と、せん断の許容応力度(コンクリートのみで負担する τa1、斜引張鉄筋と共同で負担する τa2、押抜きせん断 τa3)を示しています。支圧は表ではなく式で求めます。
- 鉄筋:鉄筋の種類(SD345・SD390・SD490)ごとに、荷重の組合せと部材の条件に応じた許容応力度を示しています。「基本値」は、割増係数を乗じる前の値です。
- 鋼材:鋼種と板厚ごとに、引張・せん断・支圧の許容応力度を示しています。同じ鋼種でも、板厚が厚くなると許容値は小さくなります。圧縮は部材の細長比などで変わるため、表には載せていません。
- 割増係数:荷重の組合せごとに、許容応力度に乗じる倍率を、下部構造編・コンクリート橋編・鋼橋編のそれぞれについて示しています。「許容応力度 × 割増係数」が、その荷重の組合せでの上限値です。
画面上部の「単位変換」で、許容応力度の単位を切り替えられます。N/mm² と kgf/cm² の両方で書かれた古い資料と読み比べるときに便利です。
許容応力度設計法の考え方
許容応力度設計法は、材料の強度を安全率で割った許容応力度を上限として、荷重によって部材に生じる応力度がそれ以下に収まるかを確かめる方法です。「発生する応力度 ≦ 許容応力度 × 割増し係数」という1本の式で照査できるため、計算の流れが分かりやすく、手計算での確認にも向いています。
一方で、安全の余裕を許容応力度の側にまとめて持たせているため、荷重のばらつきと材料のばらつきを分けて扱えません。平成29年以降の道路橋示方書は、荷重側と抵抗側にそれぞれ係数を設定する部分係数設計法に切り替わっています。この早見表は、許容応力度設計法の考え方で整理した値として使ってください。
実務で許容応力度を使う場面
道路橋の新設設計は部分係数設計法が基本になりましたが、実務では今も許容応力度で照査する場面が多くあります。たとえば、仮設構造物(土留め・仮桟橋など)、道路土工構造物(擁壁・カルバートなど)、上下水道施設の構造計算、そして既設橋の補修・補強設計で建設当時の基準にさかのぼって確認する場合などです。
どの基準のどの版で照査するかは、構造物の管理者や発注者によって決まります。業務の最初に設計基準を発注者と協議して確定させ、その基準の数値を使うことが大切です。基準の選び方は「設計基準集」の使い分けガイドでも解説しています。
照査でよくある間違い
- 割増し係数の重ね掛け:割増し係数は荷重の組合せごとに1つの値が決まっています。「温度変化」と「地震」の係数を掛け合わせるのではなく、該当する組合せの行の値を使います。
- 部材の条件の見落とし:鉄筋の許容応力度は、荷重の組合せや部材の置かれる環境(水中・地下水位以下など)によって値が変わります。使う値が、照査する部材の条件に合っているかを確認してください。
- 単位の取り違え:古い設計図書や計算書は kgf/cm² で書かれていることがあります。数値を写すときは、画面上部の単位変換で N/mm² に揃えてから比べると間違いを防げます。
- 版の違う基準の混在:同じ材料でも、基準や版によって許容応力度の値や表番号が異なります。1つの計算書の中で、別の版の値を混ぜないようにしてください。
数値の出典と、基準の版についての注意
各表の数値は、許容応力度設計法による最後の版である平成24年の道路橋示方書・同解説を基本に、表ごとに記載している出典にもとづいて整理しています。道路橋の設計は、平成29年の道路橋示方書で、許容応力度設計法から部分係数設計法・限界状態設計法へと移行しました。さらに令和7年の改定では、編の構成が上部構造・下部構造・上下部接続部に再編され、各編の名称も変わっています。そのため、表に記載している編名や表番号は改定前のものを含み、現行の基準とは対応しない場合があります。許容応力度は、考え方を理解するための早見表や、許容応力度法で行う概略検討の目安として使い、実際の設計業務では発注者の仕様書で指定された基準・版の最新の数値を必ず確認してください。