地盤・土質計算ツール

液状化判定ツール
FL値・PL値を自動計算

地震時における地盤の液状化の可能性を、層ごとの液状化に対する抵抗率FL値と地盤全体の液状化指数PL値で判定します。レベル1・レベル2(タイプⅠ・タイプⅡ)地震動の3ケースを一括計算。

🏔️ 最大15層対応 ⚡ 3ケース一括計算 📐 道路橋示方書Ⅴ耐震設計編(平成29年版)準拠 📉 FL値-深度グラフを表示
📖 使用手順
1

地下水位を入力GL面からの深さ(m)を入力してください

2

設計条件を選択地域区分・地盤種別を選択(設計水平震度は自動設定)

3

地層を入力層厚・N値・γt・FC・D50等を層ごとに入力

4

計算ボタンを押すFL値・PL値が3ケース一括で計算されます

5

結果を確認層ごとのFL値と地盤全体のPL値・危険度を確認

🌊
判定条件の入力
① 地下水位
m(GL面からの深さ)※液状化判定の対象は地下水位が10m以内の場合です
② 設計水平震度 khgL の設定
③ 地層データ入力(最大15層・地表面から順に)
層
No.
層厚
(m)
N値
単位体積重量
γt (kN/m³)
細粒分含有率
FC (%)
塑性指数 Ip
※1(空欄可)
50%粒径 D50
(mm)
10%粒径 D10
(mm) ※2(空欄可)
※1 塑性指数Ip:FCが35%を超える層の対象層判定に使用します(FC≦35%の層では空欄可)。
※2 10%粒径D10:空欄の場合は「D10≦1mm(条件を満たす)」とみなして判定します。
※3 各層は地表面(GL±0)から連続して順に入力してください。深度は層厚から自動計算されます。
※4 粘性土層など明らかに液状化しない層も、深度・応力計算のため省略せず入力してください(FC・Ipの値により自動で対象外と判定されます)。
※5 σv・σ'vの計算は設計用土質定数算定ツールと同じ考え方(地下水位以深はγt−10)です。

📊 判定結果の総括(PL値・液状化指数)

レベル1地震動
-
-
レベル2地震動 タイプⅠ(プレート境界型)
-
-
レベル2地震動 タイプⅡ(内陸直下型)
-
-
層
No.
深度範囲
(GL-m)
N値 FC
(%)
判定
対象
レベル1 レベル2 タイプⅠ レベル2 タイプⅡ
FL判定 FL判定 FL判定

📉 FL値-深度分布

FL ≦ 1.0(赤破線より左側)の層は「液状化する」と判定されます。

※ 判定対象外の層はプロットされません。FLが3を超える場合は3の位置に表示しています。

🔍 計算過程の確認

▼
Tool Guide

機能紹介・使用上の注意

📐

準拠基準について

道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編(平成29年11月)の液状化判定法(FL法)と、岩崎ら(1980)の液状化指数PL値による危険度評価を採用しています。補正N値Na・繰返し三軸強度比RL・地震動特性による補正係数cwなど、平成29年版の算定式を使用しています。

🔄

令和7年版改定について

道路橋示方書は令和7年(2025年)8月に改定され、令和8年4月1日以降に着手する新規設計から適用されています。改定では液状化特性に関わる粒度の評価方法が見直されているため、新基準による設計では最新版の原文を必ず確認してください。本ツールは平成29年版に基づいています。

⚠️

適用条件・留意事項

判定対象は沖積層の飽和土層です。地下水位が10mより深い場合、対象層はありません。深度20m以深は判定対象外です。各層の判定は層中央深度の値で代表させる簡便計算のため、地下水位や深度20mをまたぐ層は、その位置で層を分けて入力してください。詳細検討では深度1mピッチ等での算定を推奨します。

【注意事項】
・本ツールは検討の補助・概略確認を目的とした簡易計算ツールです。
・実設計では最新の基準原文(道路橋示方書・同解説Ⅴ耐震設計編)を参照し、最終判断は担当技術者が行ってください。
・令和7年版道路橋示方書では液状化判定に関わる評価方法が見直されています。適用基準の版は発注者・協議先と必ず確認してください。
・FC・Ip・D50・D10は粒度試験・液性塑性限界試験の結果を使用してください。
・水の単位体積重量は9.8kN/m³を使用しています。
・本ツールはFL値・PL値の算定までを行います。液状化する土層の土質定数の低減係数DEは算定しません。
・本ツールの利用によって生じたいかなる損害についても、当サイトは責任を負いません。

Glossary

用語解説

本ツールで使用している専門用語を、設計実務の参考としてまとめました。

A. 液状化現象・判定指標に関する用語
液状化
地震動の繰返しせん断により、緩い飽和砂質土の間隙水圧が上昇して有効応力を失い、地盤が液体状になる現象。噴砂・構造物の沈下傾斜・浮き上がり・側方流動などの被害をもたらす。緩い砂質地盤・浅い地下水位・強い地震動の3条件が重なると発生しやすい。
FL値(液状化に対する抵抗率)
土層の液状化に対する抵抗率で、FL = R/L(動的せん断強度比R ÷ 地震時せん断応力比L)で算定する。FL ≦ 1.0 の層は「液状化する」と判定される。値が小さいほど液状化の程度が激しいと考えられ、液状化した層は基礎の設計において土質定数を低減係数DEで低減する。
PL値(液状化指数)
岩崎ら(1980)が提案した、地点全体の液状化の激しさを表す指標。FL<1の層について F = 1−FL に深さの重み関数 w(z) = 10−0.5z を乗じ、深度0~20mで積分して求める。PL = 0:危険度は低い、0<PL≦5:やや低い、5<PL≦15:高い、15<PL:極めて高い、と評価される。
液状化判定の対象層(3条件)
道路橋示方書では、①地下水位が地表面から10m以内にあり、かつ地表面から20m以内にある飽和土層、②細粒分含有率FCが35%以下、またはFCが35%を超えても塑性指数Ipが15以下、③50%粒径D50が10mm以下かつ10%粒径D10が1mm以下、の3条件すべてに該当する沖積層の土層を判定対象とする。
B. 抵抗側(R)に関する用語
動的せん断強度比 R
土層が液状化に抵抗できるせん断強度の指標。R = cw × RL(地震動特性による補正係数 × 繰返し三軸強度比)で算定する。
繰返し三軸強度比 RL
繰返し三軸試験に基づく液状化強度。粒度の影響を考慮した補正N値Naから、Na<14のとき RL = 0.0882√((0.85Na+2.1)/1.7)、Na≧14のとき RL = 0.0882√(Na/1.7)+1.6×10⁻⁶×(Na−14)⁴·⁵ で算定する(平成29年道示式)。
補正N値 Na・換算N値 N1
N1は有効上載圧100kN/m²相当に換算したN値で、N1 = 170N/(σ'vb+70)。Naは粒度の影響を考慮した補正N値で、砂質土(D50<2mm)では Na = cFC(N1+2.47)−2.47、礫質土(D50≧2mm)では Na = {1−0.36log₁₀(D50/2)}N1 で算定する。cFCは細粒分含有率FCによる補正係数。
地震動特性による補正係数 cw
地震動のタイプによる液状化強度の違いを考慮する係数。レベル1地震動とレベル2タイプⅠ(プレート境界型)ではcw = 1.0。レベル2タイプⅡ(内陸直下型)では繰返し回数が少ない衝撃的な地震動のため強度を割り増し、RLに応じて1.0~2.0の値をとる。
C. 外力側(L)に関する用語
地震時せん断応力比 L
地震によって土層に作用するせん断応力の大きさの指標。L = rd × khgL × σv/σ'v で算定する。深い層ほど地震時のせん断応力比は低減される(rd)。
低減係数 rd
地震時せん断応力比の深さ方向の低減係数。rd = 1.0 − 0.015x(x:地表面からの深さm)。地盤は完全な剛体ではないため、深くなるほど地表の揺れがそのまま伝わらないことを考慮する係数。
設計水平震度 khgL
液状化判定に用いる地盤面の設計水平震度。khgL = cz × khgL0(地域別補正係数 × 標準値)。標準値khgL0は地震動レベルと地盤種別で決まり、レベル1で0.12~0.18、レベル2タイプⅠで0.40~0.50、タイプⅡで0.60~0.80。
地域区分(A1・A2・B1・B2・C)
地震の発生頻度・規模の地域差を考慮した区分。地域別補正係数はレベル1用cz(1.0/0.85/0.7)、レベル2タイプⅠ用cⅠz(1.2/1.0/0.8)、タイプⅡ用cⅡz(1.0/0.85/0.7)が地域ごとに定められている。
地盤種別(Ⅰ種・Ⅱ種・Ⅲ種)
耐震設計上の地盤区分。地盤の特性値TG(固有周期)により、Ⅰ種(TG<0.2s:良好な洪積地盤・岩盤)、Ⅱ種(0.2≦TG<0.6s)、Ⅲ種(0.6s≦TG:沖積軟弱地盤)に区分される。
レベル1・レベル2地震動(タイプⅠ・タイプⅡ)
レベル1は橋の供用期間中に発生する確率が高い地震動。レベル2は発生確率は低いが大きな強度をもつ地震動で、タイプⅠはプレート境界型の大規模地震(東北地方太平洋沖地震など)、タイプⅡは内陸直下型地震(兵庫県南部地震など)を想定している。

【注意事項】
本解説は概略理解を目的としたものです。実際の設計では各設計基準の原文を必ず参照し、土質試験結果との照合・担当技術者による最終判断を行ってください。