液状化判定とは?FL値・PL値の意味と、若手技術者が押さえたい考え方

橋梁や構造物を新設するとき、地盤が「液状化するかどうか」は必ず確認する項目です。結論から言うと、層ごとの安全率であるFL値が1.0以下なら液状化の可能性ありと判断し、地盤全体の危険度はPL値で見ます。この記事では、若手技術者向けに、判定の流れと入力で迷いやすい点を整理します。

液状化とは?なぜ起きるのか

液状化とは、地震の揺れで砂地盤の中の水圧が上がり、砂粒どうしの結びつきが失われて、地盤が液体のようになる現象です。起きやすいのは、地下水位が高く、ゆるく堆積した砂質土の地盤です。N値が小さい砂ほど危険になるため、まずN値(標準貫入試験)の基本を押さえておきましょう。

判定の流れ:まず「対象になる層」を決める

液状化判定は、すべての土層を計算するわけではありません。最初に「液状化する可能性のある層」を絞り込むのが第一歩です。実務で判断材料にするのは、次の2点です。

  • 地下水位の高さ:地下水位より下の飽和した層が対象です。
  • 土質:砂質土が中心で、粘土のような粘性の高い土は対象から外れます。

ボーリング柱状図で、地下水位と各層の土質を確認し、対象層を決めます。そのうえで、対象層ごとにFL値を計算する流れです。

FL値とは?(層ごとの安全率)

FL値は、「液状化に対する抵抗力(R)」を「地震で加わる力(L)」で割った値です。

FL = R ÷ L (FL値が1.0以下:液状化の可能性あり/1.0を超える:液状化しないと判定)

抵抗力Rは、N値や土質(細粒分含有率など)から求めます。Lは、深さや土の重さ(単位体積重量γ)から求めるため、入力値の与え方が結果に直結します。N値から地盤定数を求める考え方は、N値から土質定数を求める方法も参考になります。

層ごとのFL値と地盤全体のPL値を一括計算。計算過程も確認できます

液状化判定ツールを使う ▶

PL値とは?(地盤全体の危険度)

PL値は、FL値が小さい層を、地表に近いほど重く評価して足し合わせた「地盤全体の危険度」の指標です。深さ20mまでを対象にします。FL値だけだと「どの層が危ないか」は分かりますが、地盤全体でどの程度のリスクかは分かりません。PL値を併せて見ると、危険度の大小を比べられます。設計では、層ごとのFL値で判定するのが基本です。

実務での注意点

新設の橋梁・構造物の設計では、液状化する層がどこにあるかを特定することが、判定の目的です。液状化する層があれば、そのあとに対策工が必要かどうかを検討します。計算結果が出て終わりではなく、その後の検討につながる点を意識しましょう。入力で確認したい点は次のとおりです。

入力前に確認したいこと

  • 地下水位:入力値がずれると、対象層そのものが変わります。
  • 層の分け方:地下水位や深さ20mをまたぐ層は、その位置で層を分けて入力します。
  • 単位体積重量γ:水の単位体積重量(9.8kN/m³)より大きい値になっているか確認します。

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液状化判定ツールの使い方

当サイトのツールでは、次の5ステップでFL値とPL値を確認できます。

  1. 地下水位を入力:GL面からの深さ(m)を入力します。液状化判定の対象は、地下水位が10m以内の場合です。
  2. 設計条件を選択:地域区分と地盤種別を選びます。設計水平震度は自動で設定されます。
  3. 地層を入力:地表面から順に、層厚・N値・単位体積重量γt・細粒分含有率FC・50%粒径D50などを入力します。粘性土の層も、深度と応力の計算のために省略せずに入力します。
  4. 「計算する」を押す:レベル1、レベル2(タイプⅠ・タイプⅡ)の3ケースが一括で計算されます。
  5. 結果を確認:層ごとのFL値と、地盤全体のPL値を確認します。FL値が1.0以下の層が、液状化の可能性がある層です。

ボーリング柱状図から値を拾うときは、地下水位と単位体積重量γtの入力ミスに注意しましょう。

まとめ

液状化判定は、①地下水位と土質から対象層を決める、②層ごとにFL値を計算する(1.0以下なら可能性あり)、③地盤全体のリスクをPL値で確認する、④液状化する層があれば対策工の要否を検討する、の順で進めます。入力値のミスは結果を大きく変えるため、地下水位と層の分け方は特に丁寧に確認しましょう。

柱状図の値を入力するだけで、FL値・PL値を確認できます

液状化判定ツールを開く ▶

参考:道路橋示方書・同解説 Ⅴ耐震設計編(平成29年11月)に基づく解説です。令和7年版(令和8年4月1日以降に着手する設計に適用)を用いる場合は、最新の基準本文で判定条件を必ず確認してください。本ツールの計算結果は設計の参考値であり、最終的な判断は技術者の責任で行ってください。

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