【2026年度】RCCM試験の共通問題対策 問題Ⅱ・Ⅲ・Ⅳ-1を効率よく攻略する勉強法

RCCM試験の勉強を始めるとき、多くの人がまず自分の受験部門の専門技術知識から手をつけます。しかし実は、RCCM試験で出題される問題のうち大半は部門に関係のない「共通問題」です。

共通問題は全22部門の受験者が同じ内容を解くため、対策情報も豊富で、出題範囲も読みやすい領域です。ここを取りこぼすと、専門でどれだけ得点しても合格基準に届きません。

この記事では、RCCM試験の共通部分(問題Ⅱ・問題Ⅲ・問題Ⅳ-1)に絞って、出題内容と効率的な対策方法を整理します。

RCCM試験の「共通問題」とは

RCCM試験は、試験Aと試験Bの2つに分かれています。それぞれ130分で、CBT方式(パソコンでの受験)です。試験Aと試験Bは同日受験も別日受験も可能です。

問題は全部で4つあり、そのうち3つが全部門共通です。

試験 問題 形式 内容 部門との関係
試験A
(130分)
問題Ⅰ 記述式 受験部門の業務経験 部門ごと
試験A
(130分)
問題Ⅱ 択一式 業務関連法制度、建設一般の知識、技術者倫理 全部門共通
試験B
(130分)
問題Ⅲ 記述式 管理技術力(事前公開テーマから1題) 全部門共通
試験B
(130分)
問題Ⅳ-1 択一式 土木関連の基礎的技術知識 全部門共通
試験B
(130分)
問題Ⅳ-2 択一式 受験部門の専門技術知識 部門ごと

つまり、部門固有の対策が必要なのは問題Ⅰと問題Ⅳ-2だけ。残りはどの部門を受験しても同じ勉強で通用します。

共通問題が合否を分ける理由

RCCM試験の合格基準は、次の2つを両方満たす必要があります。

  • それぞれの問題について、配点の50%以上を得点すること
  • かつ、総合点で60%以上を得点すること

この「各問50%以上」という足切りがあるため、共通問題のどれか1つでも落とすと、他がどれだけ良くても不合格になります。近年の合格率は40%前後で、実務経験を積んだ中堅技術者が受験する試験としては決して易しくありません。

一方で、共通問題には対策上の大きなメリットがあります。

  • 問題Ⅱは出題分野の内訳がほぼ固定されており、過去問の蓄積が効く
  • 問題Ⅲは出題テーマが試験前に公式サイトで公開される
  • 問題Ⅳ-1は土木全般の基礎知識で、業務経験でカバーできる範囲が広い

専門技術知識は範囲が読みにくく、勉強量に対する得点効率が悪くなりがちです。まず共通問題で確実に得点するのが、限られた時間で合格するための基本方針になります。

問題Ⅱ(業務関連法制度・建設一般・技術者倫理)の対策

問題Ⅱは20問の択一式で、出題分野の構成が例年ほぼ同じです。過去の傾向から、おおむね次のような内訳になっています。

出題分野 おおよその問題数 主な出典・参考資料
RCCM資格制度(倫理規定・CPD含む) 3問程度 シビルコンサルティングマネージャ資格制度概要、RCCM倫理規定
入札・発注方式 1問程度 プロポーザル方式、総合評価落札方式に関する国交省資料
契約(契約約款・共通仕様書・積算標準) 5問程度 公共土木設計業務等標準委託契約約款、設計業務等共通仕様書
品質(業務成績評定・品確法) 3問程度 地方整備局委託業務等成績評定要領、公共工事の品質確保の促進に関する法律
インフラ整備・国の政策 6問程度 国土交通白書、社会資本整備重点計画、国土交通省の重点政策
知的財産権 1問程度 著作権法、建設コンサルタント業務における知的財産の取扱い
技術者倫理 1問程度 建設コンサルタント技術者の行動規範

ここで重要なのは、予想の難しいインフラ整備問題に時間をかけすぎないことです。国土交通白書や重点政策からの出題は範囲が広く、何が出るか読めません。

一方、契約約款・共通仕様書・業務成績評定といった「管理系」の分野は合わせて8問程度あり、内容が安定しているため過去問演習がそのまま得点につながります。まずこちらを固めるのが効率的です。

なお合格ラインは各問50%以上ですが、50%ギリギリでは総合60%に届かなくなる危険があります。問題Ⅱは60%以上、できれば70%を目標に準備しておくと安全です。

問題Ⅲ(管理技術力)の対策

問題Ⅲは記述式で、1,200〜1,600字の論文を書きます。RCCM試験の中でもっとも負担が大きい問題ですが、出題テーマが事前に公開されるという大きな特徴があります。

2026年度は6月24日に、RCCM資格ホームページで6テーマが公開されました。このうちのいずれか1題が本番で出題されます。

2026年度の出題テーマ(全6テーマ)

テーマ 設問①/設問② 指定用語(抜粋)
地方公共団体のインフラの老朽化に対するインフラマネジメントのあり方 ①現状と課題
②マネジメントのあり方
老朽化、人口減少、インフラの再構築、マネジメントサイクル、広域連携、多様な契約方式、群マネ、官民連携、新技術ほか(全10語)
安全・安心な国土づくり ①課題
②防災・減災及びまちづくりのあり方
巨大災害、サプライチェーン、国土強靭化、ハード対策、ソフト対策、災害に強いまちづくり、渇水、火災、事前復興まちづくりほか(全12語)
SDGsへの取り組み ①17の目標と社会課題
②建設コンサルタントの役割
飢餓、水循環、エネルギー、技術革新、まちづくり、気候変動、生物多様性(全7語)
AI技術の活用と成果品の品質向上 ①品質向上の現状と課題
②AI技術活用の可能性
業務の効率化、生産性向上、照査体制、エラー防止、建設DX、技術継承、判断支援、情報セキュリティほか(全12語)
国際競争力の強化 ①国際競争の現状と課題
②参入に向けた取り組み
都市課題、技術基準、国際標準、国際建設契約、ODA、インフラ輸出、復興、人材育成ほか(全10語)
BIM/CIMの適用 ①期待される効果
②克服すべき課題
3次元モデル、電子納品、生産性向上、フロントローディング、DX、データ連携、プロセス改革(全8語)

指定用語のルールを正しく理解する

問題Ⅲでは、テーマごとに提示された用語から4つ以上を使用し、使った用語は「 」で囲んで記述する必要があります。

ここで誤解されやすいのが、用語をどこで使うかというルールです。指定用語は設問①と②の全体を通して4つ以上使っていればよく、「①のみ」「②のみ」「①②併せて」のいずれでも構いません。設問ごとに4語ずつ必要だと思い込んで文章が破綻するケースがあるため、正確に押さえておきましょう。

6テーマすべてを準備する必要はない

1テーマあたり1,500字前後の論文を6本用意するのは、実務をこなしながらでは現実的ではありません。おすすめは指定用語が重複するテーマを束ねて「型」を作る方法です。

たとえば「官民連携」はインフラ老朽化・安全安心な国土づくり・国際競争力の3テーマに登場します。「生産性向上」はAI活用とBIM/CIMの両方に含まれます。共通する論点で使い回せる文章のブロックを用意しておけば、準備の負担は大きく下がります。

そのうえで、出題頻度の高いインフラ老朽化と防災・減災を軸に2〜3テーマを重点的に仕上げ、残りは骨子だけ用意しておくという配分が現実的です。

問題Ⅳ-1(土木関連の基礎的技術知識)の対策

問題Ⅳ-1は、土木全般の基礎知識を問う択一式です。構造力学、土質、コンクリート、水理、測量、施工といった大学で学ぶ範囲が中心で、部門を問わず同じ問題が出題されます。

この問題の特徴は、範囲は広いが難易度は高くないことです。専門外の分野も出題されますが、基礎的な内容にとどまるため、過去問を繰り返すだけで得点は安定します。

対策の優先順位としては、問題Ⅱ・問題Ⅲより後で構いません。ただし各問50%以上の足切りがあるため、まったく手をつけないのは危険です。試験直前期に過去問を一巡させておきましょう。

共通問題で押さえておきたいキーワード

択一の問題Ⅱと記述の問題Ⅲは、扱うテーマが重なっています。以下のキーワードは両方で使えるため、意味と背景をセットで理解しておくと学習効率が上がります。

キーワード 内容 関連する問題
群マネ(群マネジメント) 複数施設をまとめて管理・発注し、維持管理を効率化する考え方 問題Ⅲ(インフラ老朽化)
包括的民間委託 複数業務・複数施設を一括して民間に委託する方式 問題Ⅱ(発注方式)/問題Ⅲ
国土強靱化 大規模自然災害に備え、国土・経済社会システムの強さとしなやかさを確保する取組 問題Ⅱ(国の政策)/問題Ⅲ(安全・安心)
事前復興まちづくり 被災前から復興の方針や体制を検討しておく取組 問題Ⅲ(安全・安心)
BIM/CIM 3次元モデルを設計から維持管理まで一貫活用する取組。国土交通省の直轄土木業務で原則適用化が進められている 問題Ⅱ(重点政策)/問題Ⅲ
フロントローディング 設計の初期段階に検討を前倒しし、後工程の手戻りを防ぐ考え方 問題Ⅲ(BIM/CIM)
建設DX デジタル技術で建設生産プロセス全体を変革する取組 問題Ⅱ(重点政策)/問題Ⅲ(AI活用)
品確法(公共工事の品質確保の促進に関する法律) ダンピング防止や担い手確保を含む、公共工事・業務の品質確保の基本法 問題Ⅱ(品質)
プロポーザル方式/総合評価落札方式 技術力を評価して選定する発注方式。前者は技術者・手法を、後者は価格と技術を総合評価する 問題Ⅱ(入札・発注方式)
業務成績評定 完了業務を発注者が採点する制度。今後の受注機会に影響する 問題Ⅱ(品質)
照査 成果品の品質を確保するための確認行為。RCCMの照査技術者としての中核業務 問題Ⅱ(契約・仕様書)/問題Ⅲ(AI活用)
CPD(継続教育) 資格取得後の自己研鑽制度。RCCMは登録更新に4年間で200単位以上が必要(2025年4月1日改定、従前は150単位) 問題Ⅱ(資格制度)

共通問題対策のスケジュール例

2026年度試験は5月11日から6月10日に受験申込を受け付け、試験は9月1日から10月31日に実施されます。合格発表は2027年3月1日の予定です。

試験日は自分で予約するため、逆算して計画を立てられるのがCBT方式の利点です。標準的な進め方は次のとおりです。

時期 取り組む内容
申込〜6月 過去問を入手し、問題Ⅱの出題分野を把握する。契約約款・共通仕様書を通読
6月下旬 問題Ⅲの出題テーマ公開を確認し、重点的に準備するテーマを2〜3つ選定
7〜8月 問題Ⅲの論文を作成し、指定用語を織り込んだ型を完成させる。並行して問題Ⅱの過去問演習
試験1か月前 問題Ⅳ-1の過去問を一巡。問題Ⅲは書く練習を繰り返し、制限時間内に収まるか確認
試験直前 時間配分のシミュレーション。CBTは会場到着後すぐ受験準備に入るため、直前の詰め込みはできない前提で

試験Aと試験Bを別日に分けると、それぞれに勉強時間を確保できます。両方を同日に受験すると、どちらかの準備が手薄になって足切りに引っかかるリスクがあるため、日程を分ける受験者は少なくありません。

まとめ

RCCM試験の共通問題について、要点を整理します。

  • 問題Ⅱ・問題Ⅲ・問題Ⅳ-1は全22部門共通。部門固有の対策が必要なのは問題Ⅰと問題Ⅳ-2のみ
  • 合格には各問50%以上かつ総合60%以上が必要。共通問題の1つでも落とすと不合格になる
  • 問題Ⅱは契約・品質などの管理系分野が安定して出題される。予想困難なインフラ整備問題に時間をかけすぎない
  • 問題Ⅲは出題テーマが事前公開される。2026年度は6テーマ。指定用語は①②全体で4つ以上使えばよい
  • 6テーマすべてを準備せず、指定用語が重複するテーマを束ねて型を作る
  • 問題Ⅳ-1は範囲は広いが難易度は低い。直前期の過去問一巡で対応可能

共通問題は、部門を問わず同じ努力が同じ得点につながる領域です。専門技術知識に手を広げる前に、まずここを固めることをおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました