道路橋の設計荷重とは?死荷重・活荷重(T荷重・L荷重)の基礎

道路橋の設計荷重は、大きく主荷重(死荷重・活荷重など)従荷重(地震・風・温度など)に分かれます。なかでも初学者がつまずきやすいのが、活荷重のT荷重とL荷重の違いです。結論から言うと、T荷重は「トラック単体」、L荷重は「多数の車の群れ」をモデル化したもので、使う場所が異なります。この記事で全体像を整理します。

死荷重とは

死荷重(D)は、橋自体の重さなど位置も大きさも変わらない荷重です。桁・床版・舗装・高欄などの自重が該当し、材料の単位体積重量に体積を掛けて求めます。たとえばコンクリートは約24.5kN/m³、鋼は約77kN/m³。死荷重は設計の出発点になるため、部材寸法が決まるたびに見直します。

活荷重とは

活荷重(L)は、自動車のように橋の上を移動する荷重です。位置によって部材に生じる力が変わるため、最も不利になる載荷位置を探して設計します。道路橋ではこの活荷重を、目的に応じて「T荷重」と「L荷重」の2種類で表現します。

T荷重とL荷重の違い

T荷重L荷重
モデル大型トラック単体
(後輪の輪荷重100kN)
多数の自動車の群れ
(等分布荷重)
載荷イメージ集中的な輪荷重面的に一様な荷重
主に使う部材床版・床組など
局部的な部材
主桁・主構など
橋全体の部材
T荷重=局部設計、L荷重=全体設計、と押さえると整理しやすい。

T荷重は、25tトラックの後輪をモデル化した輪荷重(1輪100kN、載荷面積500×200mm)で、床版のように局部的に押される部材の設計に使います。一方L荷重は、橋全体に多数の車が載る状況を等分布荷重で表したもので、主桁など橋全体を支える部材の設計に使います。

A活荷重とB活荷重

活荷重にはさらにA活荷重とB活荷重の区分があります。違いは大型車の交通量の想定で、B活荷重は高速自動車国道・一般国道・都道府県道など大型車の通行が多い道路に、A活荷重はそれ以外の大型車が比較的少ない道路に適用します。同じ橋でも、どちらを採用するかで設計が変わります。

その他の荷重(従荷重)

主荷重のほかに、地震の影響・風荷重・温度変化・雪荷重・衝突荷重などを、橋の条件に応じて考慮します。これらは常に同時に作用するわけではないため、実際の設計では「どの荷重をどう組み合わせるか(荷重の組合せ)」を検討し、最も不利なケースで部材を決めます。

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死荷重の計算イメージ

死荷重は「材料の単位体積重量 × 体積」で求めます。たとえば幅0.4m・高さ1.0mの鉄筋コンクリート桁1mあたりの自重は、断面積0.4m² × 単位体積重量24.5kN/m³ = 約9.8kN/m となります。これに舗装や高欄などの自重を足したものが、その桁が支える死荷重です。部材寸法が変わるたびに死荷重も変わるため、設計はこの見直しを繰り返しながら収束させていきます。

よくある質問(FAQ)

Q. T荷重とL荷重の違いは?
A. T荷重はトラック単体(輪荷重100kN)をモデル化したもので床版など局部の設計に、L荷重は多数の車の群れを等分布荷重で表したもので主桁など全体の設計に使います。

Q. A活荷重とB活荷重の違いは?
A. 大型車の交通量の想定が異なります。高速国道・一般国道など大型車が多い道路はB活荷重、それ以外はA活荷重を適用します。

Q. 死荷重はどうやって求めますか?
A. 材料の単位体積重量に体積を掛けて計算します。コンクリートは約24.5kN/m³、鋼は約77kN/m³が目安です。

まとめ

道路橋の設計荷重は、「死荷重=動かない自重」「活荷重=動く車の荷重」が基本で、活荷重はT荷重(局部・床版)とL荷重(全体・主桁)を使い分けます。さらにA・B活荷重の区分や従荷重の組合せが加わります。各荷重の具体的な数値や種類は、下のデータページで確認できます。

参考:日本道路協会『道路橋示方書・同解説 Ⅰ共通編』。T荷重・L荷重、A活荷重・B活荷重の定義は同示方書に基づきます。実設計では最新版の原典を確認してください。

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