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荷重条件
Load Conditions
死荷重(単位体積重量)
準拠:Ⅰ共通編 表-2.2.1(p.17)
| 材料 | 単位体積重量 (kN/m³) |
|---|---|
| 鋼・鋳鋼・鍛鋼 | 77.0 |
| 鋳鉄 | 71.0 |
| アルミニウム | 27.5 |
| 鉄筋コンクリート | 24.5 |
| プレストレストコンクリート | 24.5 |
| コンクリート | 23.0 |
| セメントモルタル | 21.0 |
| 木材 | 8.0 |
| 瀝青材(防水用) | 11.0 |
| アスファルト舗装 | 22.5 |
- 土の単位体積重量は、土質によって異なるため、地盤調査の結果などから設定します(Ⅰ 2.2.6の解説を参照)。
- 設計基準強度が60N/mm²を超える高強度コンクリートを用いるプレストレストコンクリートは、標準的な値として25kN/m³を用いてもよいとされています(Ⅰ 2.2.1解説)。
風荷重
準拠:Ⅰ共通編 2.2.9 風荷重(p.53〜57)
| 項目 | 記号 | 値・算定式 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 鋼桁(1 ≦ B/D < 8) | — | [4.0 − 0.2(B/D)] D ≧ 6.0 kN/m | B:橋の総幅(m)、D:橋の総高(m)(表-2.2.10) |
| 鋼桁(8 ≦ B/D) | — | 2.4 D ≧ 6.0 kN/m | 表-2.2.10 |
| 2主構トラス(トラス) | — | 活荷重載荷時 1.25/√φ / 無載荷時 2.5/√φ(kN/m²) | φ:充実率(0.1 ≦ φ ≦ 0.6)(表-2.2.12) |
| 2主構トラス(橋床) | — | 活荷重載荷時 1.5 / 無載荷時 3.0(kN/m²) | 表-2.2.12 |
| 下部構造(円形・小判形) | — | 活荷重載荷時 0.75 / 無載荷時 1.5(kN/m²) | 風向方向の有効鉛直投影面積あたり(表-2.2.15) |
| 下部構造(角形) | — | 活荷重載荷時 1.5 / 無載荷時 3.0(kN/m²) | 表-2.2.15 |
| 活荷重に作用する風荷重 | — | 1.5 kN/m(橋面上1.5mの位置) | 鋼桁・2主構トラス以外の形式の橋で、活荷重載荷時(2.2.9(4)3)) |
| 風荷重の基本式(解説) | p | p = ½ ρ Ud² Cd G | ρ:空気密度 1.23 kg/m³、Ud:設計基準風速、Cd:抗力係数、G:ガスト応答係数(解2.2.18) |
- 表の風荷重は、支間長の短い中小橋に使う標準的な値です。設計基準風速が40m/s以上となると想定される場合は、十分な検討が必要です(2.2.9解説)。
- 吊橋・斜張橋のようにたわみやすい橋や部材は、風による動的な影響を考慮します。具体的な検討には「道路橋耐風設計便覧」(日本道路協会、平成20年1月)が参考になります。
地震時荷重
準拠:Ⅴ耐震設計編 4.4(p.23〜24)・4.5(p.32)・6.3.3(p.83〜84)・6.4.3(p.91〜92)
| 項目 | 記号 | 値・内容 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ■ レベル1地震動(震度法) | |||
| 設計水平震度 | kh | kh = cz × kh0 | 0.10を下回る場合は0.10(式6.3.1) |
| 設計水平震度の標準値(Ⅰ種地盤) | kh0 | 0.20(0.1 ≦ T ≦ 1.1s) | T:固有周期。範囲外は表-6.3.1の式による |
| 設計水平震度の標準値(Ⅱ種地盤) | kh0 | 0.25(0.2 ≦ T ≦ 1.3s) | 表-6.3.1 |
| 設計水平震度の標準値(Ⅲ種地盤) | kh0 | 0.30(0.34 ≦ T ≦ 1.5s) | 表-6.3.1 |
| 地盤面における設計水平震度の標準値 | khg0 | Ⅰ種 0.16 / Ⅱ種 0.20 / Ⅲ種 0.24 | 土の重量による慣性力・地震時土圧の算出に用いる(式6.3.2) |
| ■ レベル2地震動(地震時保有水平耐力法) | |||
| タイプⅠの設計水平震度の標準値 | khc0 | Ⅰ種 1.40 / Ⅱ種 1.30 / Ⅲ種 1.20 | 固有周期が一定区間の値(表-6.4.1)。khc = cs cIz khc0 |
| タイプⅡの設計水平震度の標準値 | khc0 | Ⅰ種 2.00 / Ⅱ種 1.75 / Ⅲ種 1.50 | 固有周期が一定区間の値(表-6.4.2)。khc = cs cIIz khc0 |
| ■ 地域別補正係数(cz / cIz / cIIz) | |||
| A1地域 | — | 1.0 / 1.2 / 1.0 | 表-4.4.1。対象地域は同表による |
| A2地域 | — | 1.0 / 1.0 / 1.0 | A1・B1・B2・C地域以外の地域 |
| B1地域 | — | 0.85 / 1.2 / 0.85 | 表-4.4.1 |
| B2地域 | — | 0.85 / 1.0 / 0.85 | 表-4.4.1 |
| C地域 | — | 0.7 / 0.8 / 0.7 | 表-4.4.1 |
| ■ 耐震設計上の地盤種別 | |||
| Ⅰ種地盤 | TG | TG < 0.2 s | TG:地盤の基本固有周期 = 4 Σ Hi/Vsi(式4.5.1、表-4.5.1) |
| Ⅱ種地盤 | TG | 0.2 ≦ TG < 0.6 s | 表-4.5.1 |
| Ⅲ種地盤 | TG | 0.6 s ≦ TG | 地表面が耐震設計上の基盤面と一致する場合はⅠ種地盤 |
- レベル2地震動の設計水平震度には下限値などの条件があります。詳しくは6.4.3の規定を確認してください。
その他荷重条件
準拠:Ⅰ共通編 2.2.6 土圧・2.2.7 水圧・2.2.10 温度変化の影響・2.2.12 雪荷重
| 荷重種別 | 値・条件 | 準拠・備考 |
|---|---|---|
| 雪荷重(圧雪の上を車両が通行する場合) | 1.0 kN/m² | 圧縮された雪で約150mm厚。規定の活荷重とあわせて橋の全面に載荷(2.2.12解説) |
| 雪荷重(積雪が特に多く、雪だけが載る場合) | SW = P × ZS | P:雪の平均単位体積重量(多雪地域では一般に3.5kN/m³)、ZS:設計積雪深(m)(解2.2.26) |
| 設計に用いる基準温度 | +20℃(寒冷な地域は+10℃) | 2.2.10(3) |
| 温度変化の範囲(鋼構造) | −10℃〜+50℃(寒冷な地方は−30℃〜+50℃) | 部材間・部材各部の相対的な温度差15度、コンクリート床版と鋼桁の温度差10度(2.2.10(4)) |
| 温度変化(コンクリート構造) | 温度の昇降それぞれ15度 | 断面の最小寸法が700mm以上は10度としてよい。床版と他の部材の温度差5度(2.2.10(4)) |
| 土圧 | クーロンの土圧公式(壁面摩擦角 δ を考慮) | δの例:重力式橋台の常時 φ/3、地震時 0(表-解2.2.5)。鋼矢板などたわみやすい構造物には用いない(2.2.6解説) |
| 静水圧 | ph = w0 × h | w0:水の単位体積重量、h:水面からの深さ(m)(式2.2.9) |
| 流水圧 | P = K × v² × A | K:橋脚の形状による係数(表-2.2.9)、v:最大流速(m/s)、A:橋脚の鉛直投影面積(m²)。作用位置は河床から0.6H(式2.2.10) |
このページについて
構造物の設計は、「どんな力がかかるか」を決めること、つまり荷重条件を設定するところから始まります。このページは、道路橋の設計で扱う死荷重・活荷重・風荷重・地震時荷重と、雪・温度変化・土圧・水圧・衝突荷重などのその他の荷重を、まとめて見られる早見表です。
表の読み方
- 死荷重:構造物そのものの重さです。材料ごとの単位体積重量に体積をかけて求めます。たとえば鉄筋コンクリートは 24.5 kN/m³、鋼材は 77.0 kN/m³ です。
- 活荷重:車両など、移動して載る荷重です。集中荷重(T荷重)と等分布荷重(L荷重)、衝撃係数などを示しています。
- 風荷重:鋼桁は橋の総幅と総高から求める式で、トラスや下部構造は部材の形状ごとに決められた値で、風荷重を求めます。活荷重が載っているときと載っていないときで値が変わります。
- 地震時荷重:レベル1地震動・レベル2地震動の区分ごとに、設計水平震度の目安を示しています。値は地域や地盤の種類によって変わります。
- その他の荷重:雪荷重、温度変化、土圧、水圧などをまとめています。
実際の設計では、これらの荷重を単独で扱うのではなく、「常時」「地震時」「暴風時」のように荷重の組合せとして考えます。組合せごとに、許容応力度の割増しや、部材の照査の方法が変わります。許容応力度の割増し係数は、「許容応力度」のページにまとめています。
荷重を決める手順
- 適用する基準を決める:構造物の種類と管理者(道路・鉄道・河川・上下水道など)によって、使う基準が変わります。発注者と協議して、基準とその版を最初に確定させます。
- 死荷重を拾う:構造物本体に加えて、舗装・高欄・防護柵・添架物など、構造物に載るものの重さをもれなく集計します。
- 活荷重の区分を確認する:道路橋のA活荷重・B活荷重は、道路の種類や大型車の交通状況に応じて決まります。設計者が自由に選ぶものではないので、発注者の条件を確認します。
- 地域・地盤の条件を整理する:風・雪・温度変化・地震の地域区分や、地盤調査結果から求める地盤種別など、架橋地点ごとの条件を整理します。
- 荷重の組合せを設定して照査する:常時・暴風時・地震時などの組合せを作り、組合せごとに部材の照査を行います。
実務で間違えやすいポイント
- 舗装の将来分:舗装の打ち換えやオーバーレイで、将来厚みが増えることがあります。将来の増厚分を見込むかどうかは、発注者の条件を確認してください。
- 地盤種別の決め方:地盤種別は、地盤の固有周期を地盤調査の結果から計算して判定します。「N値が小さいから軟弱地盤」のように見た目で決めず、算定した値で判定します。
- 水位の設定:土圧・水圧・浮力は、常時と洪水時・地震時で想定する水位が変わることがあります。どの水位を使うかで結果が大きく変わるため、根拠を計算書に明記します。
- 土圧の式の使い分け:道路橋示方書の下部構造では、壁面摩擦角を考慮したクーロンの土圧公式を使います。ただし、鋼矢板のようにたわみやすい構造物には使えません。擁壁やカルバートなど、他の基準で設計する構造物では、その基準が定める式(試行くさび法など)を確認してください。
数値の出典と、基準の版についての注意
各表の数値は、許容応力度設計法による最後の版である平成24年の道路橋示方書・同解説を基本に、表ごとに記載している出典(Ⅰ共通編・Ⅴ耐震設計編の表・式の番号と印刷ページ)にもとづいて整理しています。道路橋示方書は平成29年に、設計法が許容応力度設計法から部分係数設計法・限界状態設計法へ移行し、令和7年の改定では編の構成が再編されて、耐震・耐風の内容が共通編に取り込まれました。そのため、表に記載している編名(「Ⅴ耐震設計編」など)や条文番号は改定前のものを含み、現行の基準とは対応しない場合があります。特に活荷重・風荷重・地震時荷重は、基準の改定で扱いが変わりやすい項目です。本ページは概略検討や考え方の確認のための早見表として使い、実際の設計業務では、発注者の仕様書で指定された基準・版の最新の数値を必ず確認してください。