工程表の種類と使い分け 土木工事で使う5つの工程表をわかりやすく解説

バーチャート・ガントチャート・グラフ式・ネットワーク式・出来高累計曲線。それぞれの特徴と、工事の規模・目的に応じた選び方をわかりやすく整理しました。

工程表とは — なぜ種類を使い分けるのか

工程表は、工事の着手から完成までの作業内容と時期を一覧にした書類です。進捗を「見える化」して関係者間で共有することで、工期の遵守と品質の確保に役立ちます。

工程表にはいくつかの種類があり、工事の規模・工期・目的によって適したものが変わります。同じ現場でも、全体管理にはこの工程表、進捗の確認には別の工程表、というように併用するのが一般的です。ここでは土木の現場でよく使う代表的な5種類を、順に見ていきます。

① バーチャート工程表(最も一般的)

縦軸に作業項目(工種)、横軸に時間(日付)をとり、各作業の期間を横棒(バー)で表します。土木・建築の現場で最も広く使われている形式で、作業員にもなじみ深い工程表です。

◎ 長所

作成・修正が簡単。いつからいつまで何の作業をするかが直感的に分かり、施主や他工種とも共有しやすい。

△ 短所

作業同士の関連性が表しにくく、ある作業の遅れが全体にどう響くか(クリティカルパス)が読み取りにくい。

向いている工事:小〜中規模で、作業の依存関係が比較的少ない工事。

② ガントチャート工程表

縦軸に作業項目、横軸に進捗率(達成度%)をとり、各作業が「今どこまで進んでいるか」を表します。バーチャートと見た目が似ているため混同されがちですが、横軸が「時間」か「進捗率」かが大きな違いです。

進捗の確認には強い一方、「いつからいつまで」という日程は読み取れないため、バーチャートと組み合わせて使われることが多い工程表です。

③ グラフ式工程表

縦軸に進捗率(%)、横軸に日程をとり、予定線と実績線を折れ線で描きます。バーチャートとガントチャートの性質を併せ持ち、各作業の進捗と関連性を同時に把握できるのが特徴です。情報量が多く便利な反面、作成にはやや手間がかかります。

④ ネットワーク式工程表

丸(結合点)と矢印を使い、「Aが終わってからBを始める」といった作業の順序・依存関係を表します。工期に最も影響する経路(クリティカルパス)を正確に把握できるのが最大の利点で、大規模で複雑な工事には欠かせません。

その分、作成には専門知識が必要で、修正もやや難しいため、小規模工事ではバーチャートで十分なことが多いです。

⑤ 出来高累計曲線(バナナ曲線)★ 土木・公共工事で重要

縦軸に出来高の累計進捗率(%)、横軸に工期をとり、上下に許容限界の曲線を引きます。その形がバナナに似ていることから「バナナ曲線」、英語の S 字に似ていることから「S カーブ」とも呼ばれます。

実績の曲線がバナナの範囲内に収まっていれば概ね順調、下限を下回っていれば遅延、と一目で判断できます。出来高(完成した金額ベースの割合)で進捗の妥当性を示すため、土木工事や公共工事の進捗管理で特に重宝されます。発注者への説明資料としても有効です。

工事の規模・目的別 使い分け早見表

こんなとき おすすめの工程表 ひとこと
小〜中規模・依存関係が少ない バーチャート 作りやすく共有しやすい定番
作業ごとの進捗を細かく確認したい ガントチャート 達成率を一目で把握
進捗と関連性を同時に見たい グラフ式 予定線・実績線で差を管理
大規模・複雑・依存関係が多い ネットワーク式 クリティカルパスが分かる
土木・公共工事の出来高管理 出来高累計曲線 バナナ曲線で妥当性を示す

土木工事で工程表をつくるときのコツ

  • 作業の洗い出しを丁寧に。準備工や障害物移転など、抜けがあると工程全体が狂います。
  • 施工順に並べる。並行作業は、日数の短い方を先に置くと書き込みやすくなります。
  • 余裕をもった日数で。最後に数日の予備日を空けておくと、悪天候や手直しに対応できます。
  • 出水期(おおむね6〜10月)を考慮。河川内の工事は避け、その期間は陸上作業や休工に充てます。
  • 積雪期は土工・舗装工を避ける。工程を前後にずらし、年末年始やお盆も見込んで組みます。
  • 調達のタイミングも一緒に計画。重機・材料・作業員が間に合わなければ工程表どおりに進みません。
  • 最後に第三者チェック。上役などに見てもらい、抜け漏れがないか確認してから確定します。

📊 バーチャート工程表を実際につくってみる

土木設計Naviの「バーチャート工程表作成ツール」なら、マスをクリック&ドラッグするだけで工程バーを引けます。月を上旬・中旬・下旬で管理でき、進捗率の入力や休工月の設定にも対応。A4/A3横で印刷できるので、提出用の工程表づくりにそのまま使えます(無料)。

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