許容応力度とは?コンクリート・鉄筋の値と常時・地震時の割増

許容応力度とは、材料が安全に受け持てる応力の上限です。結論から言うと、材料の基準強度を安全率で割った値で、地震時や暴風時にはこの値を割り増して使います。この記事では、許容応力度の考え方と、コンクリート・鉄筋・鋼材での違い、常時・地震時の割増の意味を整理します。

許容応力度とは

材料には、それ以上の力を受けると壊れたり大きく変形したりする限界の強度(基準強度)があります。設計では、この限界をそのまま使うのではなく、安全率で割って余裕をもたせた値=許容応力度を使います。部材に生じる応力度が、この許容応力度以下であることを確認するのが「許容応力度設計」の基本です。単位は N/mm²(=MPa)で表します。

コンクリート・鉄筋・鋼材の許容応力度

コンクリートは圧縮に強く引張に弱いため、許容曲げ圧縮応力度や許容せん断応力度が、設計基準強度(fck)に応じて定められています。鉄筋はSD295・SD345などの種類ごとに許容引張応力度が決まり、鋼材もSS400・SM490などの鋼種で許容応力度が異なります。いずれも「材料の種類・強度ごとに値が決まっている」という点は共通です(具体的な数値は下のデータページを参照)。

常時・地震時・暴風時の割増

許容応力度は、荷重の状態によって割り増して使えます。これは、地震や暴風のように一時的にしか作用しない荷重に対しては、より大きな応力まで許容してよいという考え方に基づきます。基本となる常時(長期)を1.0とすると、地震時・暴風時などはおおむね1.5倍程度まで割り増します(割増の値は基準・部材・荷重の組合せによって異なります)。

注意したいポイント

  • 割増係数は「1.5倍」と単純に決まっているわけではなく、基準・材料・荷重の組合せによって変わります。必ず該当する基準の規定を確認してください。
  • 「基準強度」と「許容応力度」は別物です。許容応力度は基準強度を安全率で割った後の値です。
  • 同じ材料でも、圧縮・引張・せん断・支圧など応力の種類ごとに許容値が異なります

コンクリート・鉄筋・鋼材の許容応力度と、荷重状態ごとの割増係数は、下のデータ一覧でまとめて確認できます。単位変換機能付きなので、旧単位との対応も確認できます。

コンクリート・鉄筋・鋼材の許容応力度と割増係数をまとめて確認

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許容応力度を使った照査のイメージ

許容応力度設計では、「部材に生じる応力度 ≦ 許容応力度」を確認します。たとえば、ある鋼部材に生じる曲げ応力度が σ=M/Z = 120N/mm² と計算され、その鋼材の許容曲げ応力度が140N/mm²であれば、120 ≦ 140 なのでOKです。地震時の荷重の組合せなら、許容応力度を割り増して 140 × 1.5 = 210N/mm² と比較します。このように、常時と地震時では判定の基準値そのものが変わる点に注意が必要です。

よくある質問(FAQ)

Q. 許容応力度とは何ですか?
A. 材料の基準強度を安全率で割った、安全に受け持てる応力の上限です。部材の応力度がこの値以下であることを確認します。

Q. 地震時の割増はどのくらいですか?
A. 常時(長期)を1.0とすると、地震時・暴風時はおおむね1.5倍程度まで割り増します。ただし基準・材料・荷重の組合せによって値は異なります。

Q. 基準強度と許容応力度はどう違いますか?
A. 基準強度は材料が耐えられる限界の強度、許容応力度はそれを安全率で割って余裕をもたせた設計上の上限値です。

まとめ

許容応力度は「基準強度 ÷ 安全率」で決まる、安全に使える応力の上限です。材料の種類・強度・応力の種類ごとに値が定められ、地震時・暴風時にはおおむね1.5倍程度まで割り増して使います。具体的な数値と割増係数は、下の許容応力度データページで確認してください。

参考:日本道路協会『道路橋示方書・同解説』。許容応力度および荷重の組合せに応じた割増係数は同示方書に基づきます。割増の値は基準・材料・荷重の組合せにより異なるため、実設計では最新版の原典を確認してください。

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